こんにちは、株式会社ゼストでプロダクトデザインをしている池田です。
12月に入り、今年も残すところあとわずか。年末といえば「大掃除」ですね。
家の掃除ももちろん大切ですが、私たちが毎日向き合っているデザインツール「Figma」のファイルも、気づかないうちにホコリ(不要なデータ)が溜まっていませんか?
今回は、年末の大掃除に絡めて、私が普段から意識している「Figmaファイルのパフォーマンス維持」と、それを効率よく実現するためのメンテナンス術について紹介します。
なぜFigmaの「大掃除」が必要なのか?
Figmaはブラウザベースで動く非常に優秀なツールですが、無尽蔵にデータを詰め込めるわけではありません。
特に大規模なプロジェクトや、長期間運用しているデザインシステムなどのファイルでは、動作が重くなることがあります。
「推奨60%」ではなく「40%以下」を目指す理由
Figmaのメモリ制限は、一般的に1タブあたり2GBと言われています。 公式のベストプラクティスでは、メモリ使用量は60%以内に抑えることが推奨されています。
しかし、私のチームでは、さらに厳しい「メモリ使用量 40%以内」を目標ラインとして設定しています。
理由はシンプルで、「今後増えていくコンテンツにも耐えうる余力」を確保したいからです。 現状で60%ギリギリだと、今後の機能追加や画面数が増えた際にすぐに限界が来てしまいます。
将来的にコンテンツが増え続けても、ファイル分割や動作遅延に悩まされず、常に快適に開発を続けられるマージンとして40%以下を目指しています。
とはいえ、現実には要素の多いコンテンツや複雑なプロトタイプを含むファイルでは、どうしても40%を超えてしまうこともあります。
その場合でも、「推奨値の60%に行ってないからいいか」と放置するのではなく、「可能な限りダイエットする」という意識を持ち続けることが重要です。 「基本は40%以下、重いファイルでも無駄を削ぎ落とした結果としての数値」である状態を目指しています。
これまでの課題と解決策
ファイルサイズを削減するための最もポピュラーな方法は「非表示レイヤーの削除」です。 これまでは『Delete Hidden Layers』というプラグインを使っていました。
これはこれで便利なのですが、非表示レイヤーを消すだけでは、ファイル構造の「散らかり」までは解消できませんでした。
そこで導入したのが、今回おすすめするプラグイン『Clean Document』です。
万能お掃除プラグイン「Clean Document」
『Clean Document』は非常に多機能なプラグインですが、私が普段のメンテナンスで必須として使っているのは、主に以下の2つの機能です。これらを実行するだけでも、ファイル構造はかなりスッキリします。

1. Delete Hidden Layers(非表示レイヤーの一括削除)
これは基本中の基本ですね。非表示になっているレイヤーは、見えていなくてもメモリを消費します。 「とりあえず非表示にして残しておこう」が積み重なると、チリも積もれば山となります。これをワンクリックで全削除します。
2. Ungroup Single-Layer Groups(単一レイヤーグループの解除)
作業中に無意識に作ってしまった「単一レイヤーしか入っていないグループ」を解除してくれます。 正確には、「背景、ブレンドモード、エフェクト、エクスポート設定がない、単一レイヤーのグループ」が対象となります。
レイヤーパネルの階層が深くなると描画負荷がかかるため、不要なグループ化を解除することはパフォーマンス向上に直結します。 何より、レイヤーパネルがスッキリして視認性が上がります。
その他の便利機能
基本は上記の2つで十分ですが、さらに徹底的に整理整頓したい場合は、以下の機能も併せて使うと効果的です。
Pixel Perfect(座標・サイズの整数化) 「X: 10.45」のような端数が出ているレイヤーを整数値に丸めてくれます。エンジニアへのハンドオフ時に「これ1pxズレてますか?」という確認コストを減らしたい場合に便利です。
Smart Rename(レイヤー名の統一) "Rectangle 1", "Frame 422" といったデフォルトの名前を整理できます。検索性を高めたい場合におすすめです。
実際の運用フロー
- 年末の大掃除として、以下の手順でファイル全体をメンテナンスすることをおすすめします。
- バックアップをとる(重要!自動保存履歴に頼らず、.figとしてローカルに保存、またはVersion Historyに名前をつけて保存)
- Clean Documentを起動
- 必要な項目にチェックを入れる(基本はHidden LayersとUngroup Single-Layer Groupsの2つ)
- "Clean Layers"を実行
- メモリ使用量を確認(Resource Useからチェック)
まとめ
部屋が散らかっていると作業に集中できないのと同じで、Figmaファイルの中身が散らかっていると、パフォーマンスが落ちるだけでなく、デザイナー自身の精神衛生や作業効率にも悪影響を及ぼします。
「メモリ40%以下」という少し厳しめの基準を設けることで、常に快適なデザイン環境を維持することができます。
『Clean Document』を使えば、これらが数クリックで完了します。 ぜひこの年末、担当しているプロダクトのFigmaファイルをピカピカにして、気持ちよく新年を迎えてみてはいかがでしょうか?
それでは、よいお年を!